2020.04.06
繰越赤字、債務超過を見据えた資金調達を!
3月に入ってからの外出自粛要請などの影響もあり、
著しく業績が悪化している企業が多いかと思います。
それでも、手元資金がそこまで減っていないことから、
「もう少し様子を見てから銀行に相談します」
と言われるケースも多々あります。
また「できるだけ借金は増やしたくないから、最低限で借りますね」
と言われるケースも。
資金調達で一番重要なのは、タイミングです。
タイミングの難しさの一つで、今話題になっているのが
医療崩壊ならぬ「金融崩壊」です。
金融機関も出社制限が始まれば、相談を受ける人、稟議書を書く人、
審査をして決裁する人、契約書の用意などオペレーションを担う人、
全ての人が普段より少なくなるため、融資実行までに時間がかかります。
本当にお金が必要になった時に、
必要なお金が期日までに振り込まれないリスクが懸念されているのです。
もう一つのタイミングの難しさは、
銀行に相談するのが決算月をまたいでしまうことです。
金融機関は貸借対照表を重視します。
例えば、コロナ問題前の店舗閉鎖による固定資産除却損に、
コロナの影響による本業赤字が重なり、
繰越赤字や債務超過になってしまうケースがあります。
固定資産除去損はお金の流出する赤字ではないため、
資金繰りに変化が無く、経営者が見落としがちです。
普段から貸借対照表を意識して経営されている経営者は少なく、
例え緊急事態であっても、こうなってからの銀行交渉は非常にハードルが上がります。
であれば、「決算前に行っておけば良かった」と
悔いが残るのです。
また、貸借対照表の傷を回復するのには、
通常、時間がかかるものです。
緊急事態の際の資金調達は、
経営者の経営判断のタイミングが命です。
「いかに早く、いかに多く調達しておくか」
これに尽きると思います。