2020.06.01
銀行のリスケジュールの実行率は99.8%
金融庁のホームページにおいて、
「金融機関における貸付条件の変更等(リスケジュール)の状況について」
が公開されました。
https://www.fsa.go.jp/ordinary/coronavirus202001/kashitsuke/20200528.pdf
前回は3月10日~3月末までのデータでしたが、
今回は3月10日~4月末までのデータに更新されています。
リスケの実行率については99.8%と、
もはやリスケを断られるのが奇跡と呼べる数字です。
目を引くのは実行率よりもリスケの申込件数の多さです。
3月10日~3月末までの申込件数は26,592件でしたが、
4月1日~4月末までの申込件数は49,312件で、
4月は3月のほぼ倍の件数のリスケ申し込みがあったことが分かります。
上記の件数は、借入金の本数ですので、
実際の会社数とは異なります。
ただ、一社平均の借入本数が5本とすれば、
49,312件ということは約9,800社の企業が4月中にリスケを申し込んだことになります。
平均借入本数が10本としても4,900社というものすごい数です。
4月に入ってコロナウイルスの影響が非常に多くの企業の
資金繰りに影響を与えたことが分かる資料です。
これらの債権が将来的に不良債権化してしまいますと、
銀行の業績も悪化が見込まれます。
銀行の業績が悪化しますと、自己資本比率を維持するためにも
融資についてどうしても消極的な姿勢にならざるを得ません。
中小企業の業績はもちろんですが、
銀行の業績も今後は非常に気になるところです。